第58回いわき情報技術研究会 感想
第58回いわき情報技術研究会 感想
第58回 NPO法人 いわき情報技術研究会 に行ってみたので, 感想メモです. 今回は,いわき明星大学,東日本国際大学,福島高専の卒業研究の発表会でした.
各研究感想
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テーマ「環境要因がベタの攻撃性に与える影響」いわき明星大学
アクアリウムでも人気のベタについての研究.2か月齢から個体飼い,群れ飼いに分け,4, 6か月齢の個体での攻撃性の評価を行っていた.
解析項目は12個.
- フレアリング(ヒレを広げて体を大きく見せる威嚇行動)の時間
- フレアリング(ヒレを広げて体を大きく見せる威嚇行動)の回数
- オペキュラーオープニング(エラを広げる威嚇行為)の時間
- オペキュラーオープニングの回数
- 体側を見せる(自分の体の大きさを相手と比べる行動)時間
- 体側を見せる回数
- 相手から逃げた(鏡の裏に隠れる回避行動)時間
- 相手から逃げた回数
- テールスラッピング(相手に尻尾をたたきつける攻撃行動)の回数
- 空気呼吸の回数
- 噛みつきの回数
- 鏡に気づくまでの時間
結果として,2か月齢の個体は, 他の個体に比べ未成熟のため,攻撃性が低いことが確認されたということであった.
気になった点は,2つ.
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2ヶ月齢までの飼育状態はどうなっているか.
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元の論文には書いてあるんだろうなと思うが,有意水準・使った検定・標本の大きさもあるとよりよいデータになると思った.
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テーマ「IMESの現状と課題,活用の可能性」東日本国際大学
IMES(アイメス)Wikipediaは,Indoor Messesing Systemの略のようです.JAXAが考案した技術.GPSでは正確に測れないような屋内での位置測定の利用に期待されているようです.デメリットは専用の送信機が必要.
Wifi使った屋内場所検出もありますが,IMESのほうが精度は高いのかなという印象.
いわき発端のサービスができたら面白そう.
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テーマ「αβ法を用いた強い量子どうぶつしょうぎAIの開発」福島高専
一般のどうぶつしょうぎは,ひよこ,ぞう,キリン,「ライオン」の4駒あり,相手の「ライオン」を取ったら勝ちになる.
各駒移動の移動範囲は,以下になる
- ひよこ:前1マス(歩と同じ)
- ぞう:各斜め1マス
- キリン:前後左右1マス
- ライオン:全方向1マス(王と同じ)
一方,量子どうぶつしょうぎでは, 初期状態ですべての4駒が,ひよこ,ぞう,きりん,ライオンの可能性がある駒となる.「ひよこ・ぞう・きりん・ライオンの可能性をもつ駒」が右に移動したとする.右に移動できるのは,「きりん」と「ライオン」のみなので,「きりん・ライオンの可能性をもつ駒」へ変化する. これを繰り返して,相手のライオンと確定した駒を取れば勝ちとなる.
量子どうぶつしょうぎは,Flashゲームでもあって普通に遊べるみたいですね.
Mini-Max法は,可能性のある次の手を評価関数から計算した評価値の基づいて作られるゲーム木をつくる.評価値を全探索して次の手を決めるというものである.こちらでも詳しく解説されている.
一方,αβ法は,評価値を全探索せずとも次の手を求めることだでき,計算量を軽くしているアルゴリズムになる. 上と同じページに解説があった.
オセロゲーム開発 ~アルファベータ法(alpha-beta search)~
素人ながら,評価関数について,斜めに移動できるのは象と「ライオン」のみ,左右に移動できるのはキリンと「ライオン」のみなので,この2つの駒を狙うような評価関数を作ることで強いAIが作れそうだと思った.
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「四路の碁ゲームの解析手法に関する研究」福島高専
「四路」というのは,囲碁を簡単に考えるために盤面が$4 \times 4$ になるもの.
実験としては,「モンテカルロ法によるランダムに手を打って,最も勝率」
盤面評価を用いたMini-Max法において, 勝率のあまり良くない評価関数と言ってたが,重みを決め打ち?で決定しているようだった.ほかの方も質問していたが,評価関数の見直しとして,重みを変えながらモンテカルロ法で平均勝率を計算して,もっとも勝率の高いときの重みを決定しするみたいなチューニングはできそうかなと思った.
後になって気になった点はもう1つ. モンテカルロ法において,初期盤面のほうだと打つ可能性多く,2手目3手目の途中の手であまりよくない手ばかりあると最終的に計算される勝率が鈍ってしまうのではないかと思った.つまり, 打つ手が少ない後半の状況では,モンテカルロ法の勝率が初期と比べて上がるのでは?と思った(現在の盤面によりそうだけど).
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「いわき市便利マップアプリケーション いわきサポナビだっぺ!!」いわきコンピュータカレッジ
いわき市のオープンデータを使ったAndroidのマップアプリケーション. いわき市のwebサイトのオープンデータ(施設情報)を引っ張ってきて, Google API` のマップに施設の位置情報と経路を可視化するというもの.
アイコン自作されたりして,見た感じフラットデザイン意識しているのかな?
Google Playでのリリースはいつ頃になるのかな. リリースされてからの利用率と県外からの観光客がどのくらいデータとして増えるのか気になる.
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「古生代の生物をVRで体験!」いわきコンピュータカレッジ
ダンクルオステウスといった古生物をモデリングしてVRで見よう!というVRネタだった. 使用機器は,「Oculus Rift」と「LeapMotion」. 素直な感想としては,専門学校でも「Oculus Rift」や「LeapMotion」といったデバイスを使う時代になったんだなーと少し感動した.
古生物のモデルがShadeでの手打ちのようだったので, なかなか職人技だなと思った. 簡単にモデルを作る方法としては,参考にした模型があったようなので,3次元距離センサでのモデリングかなと思ったがセンサが普通に高いので学校にはないよなーと. もっと簡易にやると,模型を上下左右の画像を撮影して, 3次元復元だろうか(自分も実際にはやったことないが.
LT
- 1つ目
- 2つ目
「International Open Data Day In Iwaki 2017」というのが3月4日(土)に「いわきコンピュータカレッジ」で開かれるようです. 公式のイベントページはこれでいいのかな?International Open Data Day In Iwaki 2017 at いわきコンピューターカレッジ, Iwaki
コンテンツとしてWheelmap, Mapillary, OpenStreetMap を扱うようです.