書籍「やってはいけないデザイン」の読書感想メモ
書籍「やってはいけないデザイン」の読書感想メモ
無料公開されていた「やってはいけないデザイン」を読んでみたので,その感想メモです.
- 作者: 平本久美子
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2016/12/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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やってはいけないデザインの構成ついて
基本的にデザインのアンチパターン本である. 構成は以下のようになっている.
- 序章
- 名刺,プレゼンスライド,ポスター,チラシのアンチパターン
- タイトル,見出し,本文などのデザインアイディア
- 原稿編
- レイアウト編
- 文字・フォント編
- カラー編
- 写真・イラスト編
デザインの基本要素「近接」「整列」「反復」「コントラスト」の紹介・説明はなく, 各章でのアンチパターンの変更案で随時これらの手法を使っている.
個人的に特に気になったのが,序章の「タイトル,見出し,本文などのデザインアイディア」の部分.どういうデザインが対象か(DTPかWebか)の説明がなく(おそらく全般を指してる).またデザインよっては理由のない施策・小手先テクニックになっており,この部分は蛇足だったように感じる.
Webデザイン専門の本というわけではない
Webデザインでの事例は1ページのみ(「ホームぺージの配色例」p.169)になっている. 基本的に,DTP(ポスター,チラシ,カード)系の事例になっている. なので,Webデザイン事例を期待するとガッカリするかもしれない.
カラー編について
カラー編があるが,色理論(色相,彩度,明度)についての説明はない. ただ,反対色の説明があるのでそのとき簡易色相環は紹介されている.
色理論の説明はないが,ベース・メイン・アクセントの配色パターンが多いので参考になる. 具体的には,以下8種類の配色パターンにそれぞれに9例紹介されている.(ただRGB値での表示なのでHSLで配色パターンが把握できないのでアクセント色などがどのように決まっているかわかりにくいかもしれない.)
- 信頼感のある配色
- 女性向けの配色
- キッズ向けの配色
- 素朴でナチュラルな配色
- 和風の落ち着いた配色
- 男性向けのクールな配色
- シンプルでおしゃれな配色
- 上品でフォーマルな配色
フリーフォントやフリー素材の紹介がある
有名どころのフリーフォントとフリー素材のページが紹介されている. 自分の知らない素材サイト(「写真AC」「写真素材 足成」「素材Good」)もあって参考になった.
ただ.フリーフォントは,ウェイトが1つのものばかりで実制作するには厳しい印象を受けた.
総評
最初に読むデザイン入門書としてはいいかもしれない. ただ理論を重視するなら,「ノンデザイナーズ・デザインブック」のほうがいいかもしれない.
- 作者: Robin Williams,小原司,米谷テツヤ,吉川典秀
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2016/06/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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参考リンク
- 作者: 平本久美子
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2016/12/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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