プチブロックで学ぶプーリー・ベルト機構
プチブロックで学ぶプーリー・ベルト機構
ダイソー100均のプチブロックの車輪パーツを見てたらプリー・ベルト機構を作れそうだなということで作ってみたメモ.
とりあえず車輪4つとベルト用の輪ゴムあれば,以下のような簡易なものは作れる. ただし,駆動輪側は手動なので教育用な感じ.
プーリー・ベルト機構とは
ロボジョイクラブの記事が詳しい.
http://www.robojoy-club.com/challenge/challenge_c10_2_01.php?p=3&loc=cc10_2_01
モーターなどと介して回っている駆動輪側プーリーの回転をベルトを介して従動輪側プーリーに伝達させて従動輪側プーリーを回すという機構である.
必要なものは3要素.
- 駆動輪側プーリー
- ベルト
- 従動輪側プーリー
主な役割は3つ.
- 駆動輪側プーリーから従動輪側プーリーへの離れた位置への回転の伝達
- ベルトをたすき掛け(クロス)することで逆回転させる
- プーリーの大きさを変えることで回転数を変化させる(自転車のギア変速と同じ)
- 従動輪側プーリーを大きくすれば,駆動輪に対して回転数が下がる=ペダルに対して後輪が余り回らない=自転車が余り進まない=自転車のギアを1にしてペダル負荷を軽くしてる状態.
- 従動輪側プーリーを小さくすれば,駆動輪に対して回転数が上がる=ペダルに対して後輪がより回る=自転車がより進む=自転車のギアを6にしてペダル負荷を重くしてる状態.
代表例は自転車である.
- 駆動輪側プーリー:ペダル側のギア
- 従動輪側プーリー:後輪側のギア
- ベルト:チェーン
ペダル側ギアが回転することでチェーン(ベルト)を介して後輪側ギアが回る.
歯車との違い: 歯車の場合は対になる歯車は常に逆回転になるが,プーリー・ベルトの場合はベルトのかけ方を変えなければベルトの動きに合わせてプーリーが回るので駆動と従動プーリーは同じ回転になる.歯車と比べて回転方向の考え方はシンプルになる.
必要なもの
-
車輪を含むキット:今回は救急車キットを使う.
プチブロック:救急車キット -
ベルト用の輪ゴム:太くて短めのほうがいい.(ゴムが伸びると細くなり,細いとねじれやすくなるため.また,長いとそれに応じて必要なブロックが増えるため.)
- 輪ゴムの代替:適当な紙を長細く切って両端をテープで止めたものも使えるかもしれない.ただし,プーリーとベルト間の摩擦がないとベルトだけ回る空転状態になってしまうので注意.
シンプルなプーリー・ベルト機構を作る
1.ポイントは,車輪パーツ2つを向かい合わせて疑似プーリーを1つ作ることである.
これにより車輪パーツから輪ゴムの脱輪を防いでいる.ただし,2つ車輪パーツの隙間から抜ける場合があるので輪ゴムは太いほうがいい.
あとは,この疑似プーリー上で輪ゴムのベルトが回るように台を作ればいい. 台の高さはゴムの太さにもよるが,疑似プーリーの間を3層くらいにするとちょうどいい.
必要パーツは,
- 車輪2つ
- 高さ調節用2x3か2x4パーツ6つ
- 土台用2x8パーツ
これを駆動輪側と従動輪側の2つ作ればいい.
2.疑似プーリーを2つ用意したら2つの距離調整する台を用意する.
必要パーツ: - 今回は2x8を3つ組み合わせて作った.
3.土台に疑似プーリーを設置する
4.疑似プーリーにベルト用輪ゴムを通す.このときに輪ゴムがいい感じになるようにプーリーの位置を変える.
実際に回してみる.左側を駆動輪として回すと右側の従動輪も回る.
※従動輪側の回転がわかるようにセロテープを貼っている
従動輪を逆回転させる
下図のように,ベルト(輪ゴム)をたすき掛けさせること駆動輪に対して従動輪を逆回転させることができる.
プーリーの大きさを変えてみる
プーリーの大きさを変えて回転数がどう変わるか確認する. しかし,プチブロックの車輪パーツは今まで使ってたもの1種類しかないので,別のものを用意するか自作するしかない.
今回はブロックを使ってプーリーになるような歯車を作る.
必要パーツ:
- 2x2 L字 3個(救急車キットにはないので他から持ってくる)
- 1x2 4個
- 1x1 5個
最上段の1x1パーツを軸の代わりとして回転させる.
このプーリーを取り付けるための軸+台を作る.
- ボールジョイント凹凸 x2
- 2x3パーツ 2個
- 2x4パーツ 2個
- 1x1: プーリーの裏抑え用
- 2x2 L字: プーリーの表抑え用
これを先程のプーリー・ベルトに取り付け,ベルト用輪ゴムをつければいい.
ただし,この歯車型プーリーを従動輪側で回転させようとしても円形じゃないためうまく回らない. そのため,今回は駆動輪側として回して車輪パーツのほうを従動輪側とする.
実際に回すと,従動輪側が小さいので回転数が高くなるという自転車のギアを重くした状態になる.
感想・メモ
- ベルト用ゴムが太くないと車輪の間に挟まってしまって難しい
- 大きいプーリーや小さいプーリーを用意するのが難しい.プーリー・ベルト機構の本格的なキットだとタミヤのキットあたりがある.