Illustrator のパスファインダ、Inkscape ではブーリアン演算についてまとめておきます。
パスファインダ・ブーリアン演算の種類
Illustrator のパスファインダ(形状モード)とInkscape のブーリアン演算の対応を 以下にまとめます(機能すべてではないです)。
Illustrator | Inkscape |
合体(形状エリアに追加) |
統合 Ctrl + + |
形状エリアから前面オブジェクトで型抜き |
差分 Ctrl + - |
形状エリアを交差 |
交差 Ctrl + * |
重なりあう形状エリアを除外(中マド) |
排他 Ctrl + ^ |
分割(パスファインダ) |
分割 Ctrl + / |
正方形(青、背面)の上に正円(赤不透明度70%、前面)を重ねたオブジェクトを 例にそれぞれ見ていきます。
元のオブジェクト
合体・統合
Illustrator では、 「合体」や「形状エリアに追加」と呼ばれ、Inkscape では、「統合」と呼ばれます。
Illustrator では、前面オブジェクトが基準となり、1つのオブジェクトになります。 Inkscape では、逆に、背面オブジェクトが基準となります。
Illustrator では前面オブジェクトが基準となるので、 赤いAND素子のようなオブジェクトができる。
合体
ショートカットキーCtrl + + で「統合」できる。
統合
型抜き・差分
Illustrator では、 「形状エリアから前面オブジェクトで型抜き」と呼ばれ、Inkscape では、「差分」と呼ばれます。 bool演算でいうところの引き算です。
円オブジェクトで型抜かれ、 青の正方形オブジェクトが残ります。
形状エリアから前面オブジェクトで型抜き
ショートカットキー Ctrl + - で 「差分」になります。
差分
交差
AND演算です。2つのオブジェクトの被っている部分のみが残ります。
Illustrator では前面が基準となるので、赤の半円のみ残ります。
形状エリアを交差
ショートカットキー Ctrl + * で「交差」になります。
Inkscape では背面が基準となるので、青の半円ができる。
交差
中マド・排他
Illustrator では、「重なりあう形状エリアを除外」や「中マド」と呼ばれ、 Inkscape では、「排他」と呼ばれます。要は排他的論理和で、 重なっている部分が消え、それ以外が残ります。
前面が基準となるので赤色で、半円が抜けたようなオブジェクトになります。
重なりあう形状エリアを除外(中マド)
ショートカットキーCtrl + ^ で「排他」になります。
前面が基準となるので、青色になります。
排他
分割
「分割」すると、パスを境に切り離しができる。
分割
Illustrator と少し違って、 背面オブジェクトが基準となり、 被っていない部分(半円)は削除される。
分割
参考リンク
関連リンク